データアナリストが教える「人の見極め方」

統計学とビッグデータ

こんにちは。
池田です。

私は、スポーツの世界でも、経済界でも、いろいろな分野でデータ分析をする際
データマイニングといって「掘り出した膨大な量の鉱石から貴重な金属を掘り出す」
ということをしてきました。

つまり、膨大な意味のないデータを含んだ玉石混淆な情報の中から
「金」を掘り出していく作業です。

私が工学博士号を取った2005年頃は、「データマイニング」という呼び名でしたが、
今は「ビッグデータ」と呼ばれるものですね。

データを処理するコンピューターの能力向上によって、
今ではパソコンレベルでも処理能力が高く、そのデータを
抽出する作業が格段にしやすくなったと言えます。

では、そもそも、なぜビッグデータが注目されているかというと、
よく「統計学的に効果に差がある」などという話は、
いろいろな分野で言われていますよね。

例えば、医学でも

「どの薬にどんな効果があった」

などというものです。

しかし、統計学というのは、分析するデータを研究者が
ある程度、選べてしまいます。

つまり、そこに研究者の意図が入る、
ということです。

例えば、100ある項目のうちの3つの項目を選んで、それらを比較してみた。
そして、研究対象とする患者さんも、100人選んだ。

では、その選び方はどうなのか? という話です。

すでに、その選ばれたデータに
「ノイズ」が入っているんですね。

つまり、研究結果に影響するような要素、例えば、
年齢や性別や生活習慣などに偏りのあるデータ、という可能性があるということ。

専門的には「バイアスがかかっている」と言いますが、
それが統計学なんです。

ビッグデータ

しかし、ビッグデータというのは、それを一切関知しません。

もちろん、その中にも欠損データはありますが、
基本的に「ノイズの入っていないデータ」を分析するからです。

そして、その分析が可能になったのには、膨大なデータを
処理することが可能なほど、コンピューターの能力が向上した、
という背景があるわけです。

私の場合、30年ほどの経歴の中で、大企業や自治体において、
45万人というデータを取らせてもらいました。

そこから、どのような特性を持った人が、
どんな業種の中で活躍しているか、といった情報を
抽出することもできます。

例えば、IT関係の営業職で、トップ100人のデータを抽出すると、
それがどのような特性を持った人なのか、ということがわかるわけです。

ただし、いかにビッグデータといえど、地球上の
すべての人のデータではないので、どんなに精緻に分析しても、
あくまでも最大で80%ほどの人の像が分かる、という認識を持っています。

つまり、残りの20%は、
ビッグデータでも測りきれない、というのが事実なんですね。

ただ、例えば、医療の業界では、
3分の2以上の方に効果があれば、その薬は認可されます。

つまり、3人のうち2人に効果が見られればいいということ。

ということは、80%となると、5人中4人ですから、
世界中の薬の認可基準よりも高い確率で、ビックデータから抽出した
客観的なインデックスで評価が可能ということです。

これだけでも、そうそう精度としては高い、と言えます。

8割の全体像と2割の突出

今、中国では「ビックデータ学部」が大学に設立され始めていて、
経済の分析などを行う人材を積極的に養成され始めています。

日本はまだ立ち遅れていますね。

ただ、ここで勘違いしてはいけないのが、
それで100%が分かる訳ではない、ということです。

先ほどもお伝えしたように、ビッグデータで測れるのは
80%ほどであり、残りの20%というのは、分析する人の経験値や
どれほど体験をしているか、といったことに影響されます。

私の場合は、残りの20%について人を分析する際、
とにかく、その人のことをよく観察する様にしています。

ただ、その方法は本当にシンプルで

「何が違うのか」
「何が特別、他と違った言動なのか」

という「突出した部分」を抜き出すようにしています。

「なくて七癖」と言われるように、人間にはいろいろな特徴が見出せるので、
全体像はビッグデータで見て、残りの2割は、突出したところを私の感覚で
抜き出していく、という方法が、私の人を分析するスタイルです。

突出したところを見る観察ポイントとしては
その人を単体で見るというより、何人かいる中で
突出した部分を見つける、といった方法をとります。

ちなみに、突出した部分というのは、
問題点やマイナスの部分も含みます。

そして、この2割に関しては、そのトレーナーの感性によって、
評価の味付けが変わってきます。

もし、仮にそれが完全に抜き出せないとしても、8割は
ビッグデータをもとに分析は可能なため、おおよその評価は変わりませんが、
残りの2割は、トレーナー・評価者の経験や洞察力がものをいうわけですね。

分析・評価の活かし方

しかし、あまりピンポイントで、その人の特性を評価したり、
本人の意向と一致しすぎたりすると、ある種、大きなプレッシャーを
与えることにもなりかねません。

そう考えると、もちろん、間違えた評価では困りますが、
100%正確な分析・評価をするだけでなく、少し抜けていたり
不完全な部分があってもいいのではないか、とも思います。

また、その人自体を、ピンポイントで厳しく追及することで
変われる人もいれば、潰れてしまう人もいます。

このように、対象者の特性や状況を見極めて、分析した結果を
どのように対象者に伝えるか、ということもトレーナーの腕前と言えます。

あくまでも、我々の役割というのは、人を100%高い精度で
分析、評価することではなくて、その分析や評価によって、
いかにその人の成長に繋げるか、ということなのです。

それでは。

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